薬剤性出血性膀胱炎に対する血液凝固第XIII因子製剤の有効性についての検討

書誌事項

タイトル別名
  • The Clinical Effect of Factor XIII on Drug-induced Hemorrhagic Cystitis

抄録

薬剤性出血性膀胱炎を合併した小児悪性腫瘍患者4症例に対して,出血性膀胱炎治療の目的で血液凝固第XIII因子(FXIII)製剤を投与した。4症例中2例は,自家末梢血幹細胞移植と同種骨髄移植の前処置として,大量CPM投与を受けた後に発症し,2例は再発横紋肉腫と再発ウイルムス腫瘍の化学療法として,IFOを含む化学療法を受けた後に発症した。4症例のFXIII値は,出血性膀胱炎発症時には27∼57%と低値であったが,FXIII製剤の20∼230単位/kgの投与により63∼230%へと上昇し,全例にすみやかな膀胱刺激症状の改善と肉眼的血尿の改善を認め,4例中3例では顕微鏡的血尿も消失した。また,再発固形腫瘍の2症例に対して,これ以降のIFOを含む治療の際にFXIII製剤を予防投与したところ,FXIII値は低下せず出血性膀胱炎の再発もみられなかった。CPM, IFOによる出血性膀胱炎の発症時にFXIII値の低下を伴う症例に対しては,FXIII製剤の投与が有効であると考える。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 35 (3), 279-285, 1994

    一般社団法人 日本血液学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680004261632
  • NII論文ID
    130004500056
  • DOI
    10.11406/rinketsu.35.279
  • COI
    1:STN:280:DyaK2c3htVOhsg%3D%3D
  • ISSN
    18820824
    04851439
  • PubMed
    8158849
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • PubMed
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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