pure erythrocytosisとストレス多血症の鑑別診断と長期臨床経過

書誌事項

タイトル別名
  • Differential Diagnosis and Course of Patients with Pure Erythrocytosis and Spurious Polycythemia
  • pure erythrocytosis ト ストレス タケツショウ ノ カンベ

この論文をさがす

説明

われわれはpure erythrocytosis (PE)とストレス多血症(SP)の診断基準を設定し,5年以上の臨床経過を有する各4例について相違点の有無を検討した。循環赤血球量はSP群よりPE群に多いが,有意差はなかった。しかし,循環赤血球量の実測値と予測値の比較では,SP群で有意差はないが,PE群では実測値が有意に高値であった(p<0.01)。検査成績では,赤血球数,Hb, Hct, 網状赤血球数,骨髄像のM/E比,NAPの陽性率とscore, 骨髄CFU-E数に有意差なく,血清EPO値がPE群はSP群に比し有意に低下していた(p<0.01)。臨床経過では両群ともに入院するとHctは直線的に下がったが,外来ではPE群2例,SP群1例で持続的赤血球増加を呈していた。両群ともに,血管障害性病変の合併はなかった。以上のことより,両者に大きな相違点はなく,内因性赤芽球系幹細胞のないPEはSPと変わらない臨床経過をとると考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 33 (6), 783-790, 1992

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ