同胞間骨髄移植後に二次性好酸球増多を示した好酸球増多症候群

書誌事項

タイトル別名
  • Secondary eosinophilia in a patient with hypereosinophilic syndrome after allogeneic bone marrow transplantation from a sibling donor
  • ドウホウ カン コツズイ イショク ゴ ニ ニジセイ コウサンキュウ ゾウタ オ シメシタ コウサンキュウ ゾウタ ショウコウグン

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抄録

症例は23歳,男性。労作時息切れを主訴に近医を受診し,ステロイド治療に不応性の好酸球増多症と診断され,1999年3月当院に紹介入院となった。入院後の精査にて好酸球増多症候群(HES)と診断し,免疫抑制療法,多剤併用化学療法などを試みたが改善は得られなかった。1999年10月26日にHLA一致の兄より骨髄移植を施行した。移植後経過は順調で,移植後79日目に免疫抑制剤を減量中止したところ再び好酸球増多を来した。原病の再燃を疑ったが,DNAフィンガープリントでdonor細胞の存在が確認され,非特異的刺激に対するIL-5産生能の変化,リンパ球のTh1/2バランスの推移から移植後GVHDに伴う好酸球増多であることが示唆された。また臨床経過上も,免疫抑制剤の再開により好酸球の減少が得られた。HESに対する同種移植後の好酸球増多の原因として,原病の再燃とGVHDの鑑別が重要であり,その方法としてDNAフィンガープリントやIL-5産生能,Th1/2バランス等が有用であると考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 42 (6), 496-501, 2001

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (16)*注記

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