粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫転座関連遺伝子API2-MALT1のアポトーシス抑制効果

  • 間山 恒
    愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部 弘前大学医学部第一内科
  • 都築 忍
    愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部
  • 瀬戸 加大
    愛知県がんセンター研究所遺伝子医療研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Antiapoptotic functions of the retrovirally transferred API2-MALT1 gene
  • 臨床研究 粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腺転座関連遺伝子API2-MALT1のアポトーシス抑制効果
  • リンショウ ケンキュウ ネンマク カンレン リンパ ソシキ MALT リンパセンテンザカンレン イデンシ API2 MALT1 ノ アポトーシス ヨクセイ コウカ

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説明

染色体転座t(11;18)(q21;q21)は粘膜関連リンパ組織(MALT)リンパ腫に特徴的で,この転座によりAPI2-MALT1融合たんぱく質が産生される。しかし,API2-MALT1がどのようにリンパ腫発症に寄与するかは明らかでない。API2が抗アポトーシス分子であることから,API2-MALT1がアポトーシスに対してどのような効果を示すかに注目して検討した。レトロウイルスベクターを用いてAPI2-MALT1を上皮細胞株HeLa, マウスPro-B細胞株Ba/F3へ導入したところ,いずれの細胞においても紫外線照射によるアポトーシスは,API2-MALT1により有意に減少した。Ba/F3においてはdoxorubicin誘導性アポトーシスに対してもAPI2-MALT1は抑制効果を示したが,IL-3除去によるアポトーシスに対しては抑制効果を認めなかった。以上から,API2-MALT1は上皮細胞,リンパ系細胞のいずれの場合においてもアポトーシス抑制に働きうるが,その作用はアポトーシス刺激の種類に依存することが示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 46 (7), 479-485, 2005

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (17)*注記

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