初診時にproinflammatory cytokineが関与した骨融解および高カルシウム血症を認めた急性リンパ性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Hypercalcemia and multiple osteolytic lesions associated with proinflammatory cytokines in a patient with acute lymphoblastic leukemia
  • 症例報告 初診時にproinflammatory cytokineが関与した骨融解および高カルシウム血症を認めた急性リンパ性白血病
  • ショウレイ ホウコク ショシンジ ニ proinflammatory cytokine ガ カンヨシタ コツ ユウカイ オヨビ コウカルシウム ケツショウ オ ミトメタ キュウセイ リンパセイ ハッケツビョウ

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抄録

症例は70歳,男性。2006年3月から左足首付近の疼痛を自覚し,症状は増悪傾向を示した。同年6月当科に入院となった。入院時に意識障害を認め,血清補正カルシウムは16.2 mg/dlと高値を示した。PTHrP, TNF-α, IL-6はいずれも高値であった。X線およびCTにて左脛骨下端と左腓骨に骨融解像を認めた。骨髄検査にてリンパ芽球を48%認め,急性リンパ性白血病(L2)と診断した。カルシトニン,パミドロン酸二ナトリウムにて高カルシウム血症は改善し,意識状態も改善した。その後化学療法を施行し,骨髄中の芽球は減少した。芽球の減少にあわせて左足首の圧痛,疼痛は改善傾向を示した。しかし肺炎と消化管出血を合併し死亡した。Necropsyにて左脛骨下端には腫瘍細胞の浸潤があったと考えられた。本症例においては高カルシウム血症/骨融解の機序としてhumoral hypercalcemia (HHM), local osteolytic hypercalcemia (LOH)とあわせてproinflammatory cytokineが関与していることが示唆された。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 48 (7), 559-564, 2007

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (14)*注記

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