多クローン性高γグロブリン血症を伴った形質細胞性白血病(IgA-λ型)

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タイトル別名
  • Plasma Cell Leukemia (IgA-λ type) with Polyclonal Hypergammaglobulinemia

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説明

症例は84歳,女性。発熱,全身リンパ節腫脹にて発症。白血球数60,900/μl, 異型形質細胞を末梢血中80.5%, 骨髄にて26.4%認めた。総蛋白は9.3 g/dl(γグロブリン62.4%)で,IgG, IgA, IgMいずれも高値を示し,多クローン性高γグロブリンを認め,免疫固定電気泳動にて抗IgA, λ型のMバンドが検出された。JHとJλ遺伝子には,単クローン性に再構成が認められた。形質細胞性白血病と診断し,急性リンパ性白血病に準じた多剤併用化学療法にて寛解状態を得ることができたが,アスペルギルス敗血症を併発して死亡した。化学療法後γグロブリンは低下し,IgGとIgMは正常化,IgAは軽度上昇を示すのみとなった。また,IL-6は治療前34.3 pg/dlから10.2 pg/dlに減少した。形質細胞性白血病に多クローン性高γグロブリン血症を伴った報告例はなく,極めて稀な症例である。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 39 (9), 680-685, 1998

    一般社団法人 日本血液学会

参考文献 (11)*注記

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