レノグラスチム(顆粒球コロニー刺激因子)の健常人を対象とした末梢血幹細胞動員効果の検討

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タイトル別名
  • Effect of Lenograstim (Glycosylated Recombinant Human Granulocyte-colony Stimulating Factor) on Peripheral Blood Stem Cell Mobilization in Healthy Volunteers

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レノグラスチム(顆粒球コロニー刺激因子)の高用量皮下投与における,CD34陽性細胞(CD34+細胞)を指標とした末梢血幹細胞動員効果ならびに安全性を健常成人男子18例を対象に検討した。<br>レノグラスチムは,2, 5, 10 μg/kg/day(分2)を5日間皮下投与した(各群6例)。末梢血中CD34+細胞数の最高値(中央値)は,2 μg/kg/day群で16.3/μl, 5 μg/kg/day群で53.9/μl, 10 μg/kg/day群で96.6/μlと用量依存的に増加した(P=0.002)。また,末梢血中CD34+細胞(最高値)が50/μl以上へ到達した症例数は,2 μg/kg/day群の0%(0/6例)に対し10 μg/kg/day群では83.3%(5/6例)と有意に高率であった(P=0.010)。副作用は全例に認められ,発現件数は,2 μg/kg/day群12件,5 μg/kg/day群33件,10 μg/kg/day群45件であった。これら副作用のうち,LDH上昇(P<0.001), 骨痛(P<0.001), 倦怠感(P=0.008)等において,用量依存的な発現率の増加が認められたが,いずれも処置無く本剤の継続投与が可能であり,許容範囲内と考えられた。<br>以上の結果から,10 μg/kg/day, 5日間のレノグラスチム投与により,健常成人男子において,高い末梢血中へのCD34+細胞動員効果が認められ,安全性に関しても十分耐用であると考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 41 (3), 198-205, 2000

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (26)*注記

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