Nilotinib投与後に腎動脈狭窄を発症した慢性骨髄性白血病

書誌事項

タイトル別名
  • Renal artery stenosis following nilotinib administration in a patient with chronic myelogenous leukemia
  • 症例報告 第4回日本血液学会関東甲信越地方会 奨励賞 Nilotinib投与後に腎動脈狭窄を発症した慢性骨髄性白血病
  • ショウレイ ホウコク ダイ4カイ ニホン ケツエキ ガッカイ カントウ コウシンエツチホウカイ ショウレイショウ Nilotinib トウヨ ゴ ニ ジンドウミャク キョウサク オ ハッショウ シタ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ

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抄録

<p>症例は63歳,男性。CML慢性期に対して2001年からimatinibを開始されMMRを維持していた。2012年からは高血圧に対してamulodipinが開始された。2013年1月から臨床試験に入りnilotinib(NIL)に変更され2年間MR4.5を維持していたことから2015年2月に中止されたが,その1ヶ月目に血圧の上昇による頭重感を認め入院した。入院時の血圧は194/108mmHgと高値で,尿蛋白3+,尿潜血2+を認めた。入院後eGFRが45.6から28.5と急激に腎機能が悪化したためMRIを実施したところ左腎動脈狭窄を認めた。同部位に対して経皮的腎動脈形成術を実施し,以後腎機能は改善した。近年NIL投与中の心血管合併症として末梢動脈閉塞症(PAOD)が注目されている。一方NILによる腎動脈狭窄の報告は自験例を含めて4例と稀である。本剤の治療開始時には心血管イベントのリスクを評価し,慎重にモニタリングを行うことが必要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (1), 15-19, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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