腸管GVHDのkey players

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タイトル別名
  • Key players in intestinal GVHD
  • チョウカン GVHD ノ key players

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抄録

同種造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病(acute graft versus host disease, GVHD)はレシピエントの生存を脅かす危険な合併症である。特に腸管のGVHDは頻度が高くしばしば難治性となり,大量の下痢を生じる事により患者の全身状態を著しく悪化させる。近年の腸管免疫系に対する理解の進歩によって,我々は腸管の粘膜上皮による物理的障壁,抗菌ペプチドや粘液による化学的障壁,腸内細菌叢の変化等の要因が腸管GVHDの病態に重要な役割を果たしている事を理解しつつある。さらにこれらの要因は,腸幹細胞,パネト細胞,自然リンパ球,マクロファージなどによって精密に調整されている事が判明しつつある。本稿ではこうした腸管GVHDのkey playerについてまとめ,将来的な治療応用についての若干の展望を述べる事とする。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (7), 807-814, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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