日本におけるヘモグロビン異常症

書誌事項

タイトル別名
  • Hemoglobinopathies in Japan: characteristics and comparison with those of other ethnic groups
  • 日本におけるヘモグロビン異常症 : その特徴と諸外国との比較
  • ニホン ニ オケル ヘモグロビン イジョウショウ : ソノ トクチョウ ト ショ ガイコク ト ノ ヒカク
  • ―その特徴と諸外国との比較―

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説明

ヘモグロビン(Hb)異常症は,アミノ酸置換などに起因する質的異常症である異常Hb症と,Hbを構成するグロビン鎖の量的異常症であるサラセミアに大別される。ほとんどが遺伝性疾患である。現在知られている日本人の異常Hbは210種類以上で発生頻度は1/3,000人程度である。また,サラセミア発生頻度はサラセミア蔓延地帯に比べると低いが,βサラセミアが1/1,000人,αサラセミアが1/3,500人程度と決して少なくない疾患である。その変異の種類は,島国で諸外国と隔離されてきたせいか,全く異なるspectrumを示す。多発地域とは異なり,日本のHb異常症のほとんどが軽症型である。このことが,重症型のみに目を向ける諸外国とは異なり,こと細やかなデータの観察から多くの軽症型Hb異常症を発見し,多くの知見が得られている理由だと考える。そして,今後も患者のためにも,診断技術を含め医療体制を維持していく必要がある。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (7), 752-759, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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