濾胞性リンパ腫に対する治療戦略

  • 福原 規子
    東北大学大学院医学系研究科 血液・免疫病学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Management strategy for follicular lymphoma
  • ロホウセイ リンパシュ ニ タイスル チリョウ センリャク

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説明

<p>濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma, FL)はrituximabの臨床導入により治療成績は向上したが,依然治癒は困難とされている。FLの治療方針は,限局期,低腫瘍量・進行期,高腫瘍量・進行期に分けて検討される。低腫瘍量では,無治療経過観察が標準療法と考えられていたが,rituximab単剤の有用性が示唆されている。高腫瘍量では,化学療法にrituximabを併用することで全生存割合の改善を認められており,導入化学療法としてR-CHOP療法やR-bendamustine療法は有効性が高い。導入化学療法に奏効した場合は,rituximab維持療法を追加することで無病生存期間の改善が認められている。近年,初回化学療法から24ヶ月以内の再発症例では,5年生存割合が50%と予後不良であることが明らかになり,このようなハイリスク群への対応が治療成績向上に重要と思われる。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (10), 2020-2025, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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