免疫調節薬(IMiDs)のターゲットの発見

  • 伊藤 拓水
    東京医科大学 ナノ粒子先端医学応用講座 JSTさきがけ
  • 安藤 秀樹
    東京医科大学 ナノ粒子先端医学応用講座
  • 半田 宏
    東京医科大学 ナノ粒子先端医学応用講座

書誌事項

タイトル別名
  • Discovery of the target for immunomodulatory drugs (IMiDs)
  • メンエキ チョウセツヤク(IMiDs)ノ ターゲット ノ ハッケン

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説明

免疫調節薬(immunomodulatory drugs, IMiDs)は米国セルジーン社が開発した新たなタイプの抗がん剤・抗炎症薬であり,サリドマイドおよびその誘導体である。現在,IMiDsであるレナリドミドやポマリドミドは多発性骨髄腫や他の血液がんなどの難病に優れた効果を発揮することが判明しており,世界中の医師および医薬学研究者が注目している。しかし,IMiDsの作用機構は長い間不明であった。ところが,2010年に我々が大本であるサリドマイドの標的因子(ターゲット)としてcereblon (CRBN)を発見したことが発端になり,その理解は飛躍的に進んだ。現在では,CRBNはIMiDsに共通したターゲットとしてのコンセンサスを得るに至っている。本稿では,IMiDsのターゲットであるCRBNがどのように発見され,どのように作用機構が解明されたかについてわかり易く紹介していきたい。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (5), 556-562, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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