凝固・線溶データのみかたと考え方

  • 橋口 照人
    鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 血管代謝病態解析学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Basic concept for evaluating coagulation and fibrinolysis data
  • ギョウコ ・ センヨウ データ ノ ミカタ ト カンガエカタ

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説明

<p>凝固・線溶データを解釈する上で大切なことは「フィブリンは血液中に溶けない分子である」ことを再認識することであろう。凝固系は可溶性から不溶性への変換であり線溶系は不溶性から可溶性への再変換というダイナミックな反応系である。フィブリンは溶けないからこそ分子としての意味をもち,FDP・Dダイマーは溶けるからこそ分子としての意味をもつ。この大きな概念の中に凝固反応はカスケード(増幅)反応であること,カルシウムイオンを必要とすること,凝固系は血小板のリン脂質膜上,線溶系はフィブリンの分子上にて効率良くプロセスされる反応が含まれる。日常臨床における凝固系検査の多くに凝固時間検査が応用されている。その一つである凝固因子活性測定法(一段法)は生体内の凝固因子は過剰に存在していることがその基本原理である。DICの病態においてはプロテアーゼの活性化により血中に無数のペプチド断片が出現している。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (10), 2096-2103, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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