抗NMDA受容体脳炎の病態における新たな展開:正常卵巣におけるNMDA受容体の同定

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of NMDA receptor in normal bovine ovary and ovum

この論文をさがす

抄録

卵巣奇形腫非合併,抗N-methyl-D-aspartate(NMDA)受容体脳炎女性例における抗体提示部位を明らかにする目的でヒト・ウシ卵巣を検索した.ウシ卵巣と未受精卵から精製した蛋白をウエスタンブロット法で分析するとNR1,NR2Bの陽性バンドがえられ,アミノ酸分析ではNMDA受容体のペプチド断片を同定しえた.またウシ未受精卵細胞膜は蛍光抗体法で本症患者血清中のIgGと強く結合した.以上から正常卵細胞細胞膜にはNMDA受容体がほぼ完全な形で存在し,抗原決定基として作用しうると考えられた.生殖年齢の女性に偏って発症する本症は正常卵胞に発現したNMDA受容体が抗原として提示されることにより発症する自己免疫性シナプス脳炎といえる.

収録刊行物

  • 臨床神経学

    臨床神経学 54 (12), 1031-1033, 2014

    日本神経学会

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ