臍帯血移植が奏効した成人型分類不能型免疫不全症

書誌事項

タイトル別名
  • Successful cord blood transplantation in a patient with adult-onset common variable immunodeficiency
  • 症例報告 第107回近畿血液学地方会 優秀演題 臍帯血移植が奏効した成人型分類不能型免疫不全症
  • ショウレイ ホウコク ダイ107カイ キンキ ケツエキガク チホウカイ ユウシュウ エンダイ サイタイケツ イショク ガ ソウコウ シタ セイジンガタ ブンルイ フノウガタ メンエキ フゼンショウ

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説明

<p>抗体産生不全症に位置付けられる分類不能型免疫不全症(CVID)は,最も頻度の高い先天性免疫不全症で,10歳以上に発症することが多い。我々は,成人発症したCVIDに対し,臍帯血移植を行った1症例を経験したので報告する。症例は46歳男性。数年前より上気道炎を繰り返した。著明な好中球減少と貧血進行で当科紹介。血液検査では,γグロブリンの低下を認め,各種自己抗体は陰性であった。骨髄は,成熟リンパ球優位の低形成であった。TREC検査でT細胞新生能の低下,およびマルチカラーフローサイトメトリーでB細胞分化の異常が判明し,CVIDと診断した。重篤な臨床経過であり,根治目的として臍帯血移植を行った。移植後,造血能は無事回復,免疫グロブリンは正常化し,良好な経過を辿っている。CVIDの疾患概念の明確な定義がなく,成人での潜在的な症例数は多いとされる。その診断基準および治療法の確立のため,症例の蓄積が必要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 59 (3), 293-299, 2018

    一般社団法人 日本血液学会

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