• 宮﨑 香奈
    三重大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学

書誌事項

タイトル別名
  • Diffuse large B-cell lymphoma: therapeutic development based on clinical and biological heterogeneity
  • DLBCL : 病態の多様性に基づく治療開発
  • DLBCL : ビョウタイ ノ タヨウセイ ニ モトズク チリョウ カイハツ
  • ―病態の多様性に基づく治療開発―

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説明

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma, DLBCL)は悪性リンパ腫の約30%を占める最大病型であり,病因論的・臨床病理学的・分子生物学的に不均一な疾患群である。DLBCLの標準治療がR-CHOP療法となり,飛躍的に予後は改善した。しかし依然として約4割の患者は難治もしくは再発することから,R-CHOP療法を超えた新たな治療戦略が求められている。腫瘍細胞の想定由来正常細胞に着目した網羅的遺伝子解析によりDLBCLはgerminal center B-cell like (GCB)とactivated B-cell like (ABC) DLBCLの2群に分別可能で,後者が有意に予後不良であった。これに加え次世代シークエンサー技術が導入され,様々な遺伝子変異や腫瘍に関わるシグナル伝達経路が同定されてきた。これらの異常に対し,新たな治療ターゲットとして治療薬が開発されている。他にもMYCやCD5を始めとした様々なバイオマーカー,予後指標が存在し,将来的には免疫組織学的,遺伝子発現解析を含めた層別化治療,個々に対応しうる治療戦略が求められる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (10), 2047-2055, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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