遺伝性骨髄不全症研究の最近の進歩

  • 伊藤 悦朗
    弘前大学大学院 医学研究科小児科学講座
  • 土岐 力
    弘前大学大学院 医学研究科小児科学講座
  • 照井 君典
    弘前大学大学院 医学研究科小児科学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Recent advances in inherited bone marrow failure syndrome research
  • イデンセイ コツズイ フゼンショウ ケンキュウ ノ サイキン ノ シンポ

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抄録

<p>遺伝性骨髄不全症候群(IBMFS)は,骨髄不全,外表奇形,発がん素因を特徴とする遺伝性疾患の総称である。臨床所見が極めて多彩であるため,診断が困難なことがしばしばある。主なIBMFSには,Diamond Blackfan貧血(DBA), Fanconi貧血(FA), 遺伝性鉄芽球性貧血(CSA), congenital dyserythropoietic anemia, Shwachman Diamond症候群,先天性角化不全症などがある。次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子解析の進歩により,これらの疾患の原因遺伝子が次々と明らかにされてきた。本邦でも,全エクソン・シークエンスにより,DBA, FAや先天性血小板減少症の新規原因遺伝子が同定された。この総説では,IBMFSの病因を理解するために次世代シークエンサーを用いて行われたDBA, FA, CSAに関する本邦の研究成果を紹介する。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (7), 882-890, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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