卵巣奇形腫を合併し抗NMDA受容体抗体陽性のglioblastomaの1例

  • 藤井 裕樹
    脳神経センター大田記念病院脳神経内科 現:広島大学大学院脳神経内科学
  • 久保 智司
    脳神経センター大田記念病院脳神経内科 現:広島大学大学院脳神経内科学
  • 柚木 太淳
    脳神経センター大田記念病院脳神経内科 現:岡山大学大学院・医学部脳神経内科学
  • 佐藤 恒太
    脳神経センター大田記念病院脳神経内科 現:岡山大学大学院・医学部脳神経内科学
  • 高松 和弘
    脳神経センター大田記念病院脳神経内科
  • 田中 惠子
    金沢医科大学神経内科
  • 高橋 幸利
    静岡てんかん神経医療センター小児科
  • 栗山 勝
    脳神経センター大田記念病院脳神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Glioblastoma with ovarian teratoma having N-methyl-D-aspartate receptor (NMDAR) antibody in CSF—A case report
  • ランソウ キケイ シュ オ ガッペイ シ コウNMDA ジュヨウタイ コウタイ ヨウセイ ノ glioblastoma ノ 1レイ

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抄録

症例は54歳女性である.痙攣発作をともなう意識障害を呈し,頭部MRI T2,FLAIR強調像にて右側頭葉内側に高信号をみとめ,卵巣奇形腫を合併していた.グルタミン酸受容体(GluR)ε2,δ2に対する抗体が陽性で,NMDARヘテロマー(NR1+NR2)抗体も陽性であり,抗NMDA受容体脳炎をうたがった.卵巣奇形腫の摘出をおこない,経過をみていたところ,発症約6ヵ月後に右側頭葉にglioblastomaが明らかとなった.卵巣奇形腫を合併し,GluR抗体および複合体抗体陽性でglioblastomaの症例の報告はない.本抗体が陽性であっても,経時的に注意深く経過をみることが重要である貴重な教訓的症例であった.

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参考文献 (7)*注記

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