母親のクローン病に関連した乳児ビタミンB<sub>12</sub>欠乏性巨赤芽球性貧血

書誌事項

タイトル別名
  • Maternal Crohn's disease-related vitamin B<sub>12</sub> deficient megaloblastic anemia in an infant
  • 症例報告 母親のクローン病に関連した乳児ビタミンB₁₂欠乏性巨赤芽球性貧血
  • ショウレイ ホウコク ハハオヤ ノ クローンビョウ ニ カンレン シタ ニュウジ ビタミン B ₁ ₂ ケツボウセイキョセキ ガキュウセイ ヒンケツ

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抄録

哺乳不良,活気低下,発達遅滞を主訴とする11カ月男児。完全母乳栄養で,離乳食は摂取不良であった。血液検査で汎血球減少と血清ビタミンB12低下,さらに赤血球の大小不同と変形赤血球の増加を認めた。骨髄は正形成で,白血病細胞は認めず,形態異常を伴う赤芽球系細胞の増加を認めた。乳児ビタミンB12欠乏性巨赤芽球性貧血と診断し,ビタミンB12投与により症状は改善した。母親の精査でクローン病が判明したことから,小腸末端でビタミンB12の吸収が阻害され,胎児期から乳児期にわたり児への供給不足が生じたと考えられた。診断時に認めた大脳皮質の萎縮は,1歳10カ月時のMRIで改善したが,3歳時の発達検査では軽度発達遅滞を認めている。本症の乳児期発症は貧血以外に活気低下,発達遅滞などの非特異的な症状を呈するため診断に難渋するが,神経学的後遺症を残さないためにも迅速な診断が求められる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (1), 15-19, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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