濾胞性リンパ腫の寛解9年後に新たに発症したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫

書誌事項

タイトル別名
  • Diffuse large B-cell lymphoma developed newly after 9-year remission of a follicular lymphoma
  • 症例報告 濾胞性リンパ腫の寛解9年後に新たに発症したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫
  • ショウレイ ホウコク ロホウセイ リンパシュ ノ カンカイ9ネンゴ ニ アラタ ニ ハッショウ シタ ビマンセイ ダイ サイボウガタ B サイボウ リンパシュ

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抄録

濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma, FL)は,時にびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma, DLBCL)へ形質転換する。その場合は一般に極めて予後不良で,サルベージ療法として,強力な化学療法が行われることが多い。しかしながら,形質転換ではなく,DLBCLが新たに発症した場合,初発DLBCLとしての治療が可能である。我々は,63歳女性で,FLの治療寛解後9年を経て,DLBCLを発症した患者を経験した。FLの形質転換であるのか,新たなDLBCLの発生なのかを鑑別するために,両リンパ腫の生検検体を用いてPCR法でIgHのVDJ遺伝子再構成を検討した。その結果,両者は別クローンであることが判明し,DLBCLは新たに発生したものと結論した。そこで,初発限局期DLBCLに準じて,通常化学療法および放射線療法を行い,完全寛解を得た。B細胞性リンパ腫における遅発性再発に対して,VDJ遺伝子再構成によるクロナリティー評価に基づいた治療は,病態に応じた治療を行う上で有用と考えられる。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 57 (2), 171-174, 2016

    一般社団法人 日本血液学会

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