小児急性骨髄性白血病における全エクソン解析による新規原因遺伝子の同定

書誌事項

タイトル別名
  • Identification of novel pathogenic gene mutations in pediatric acute myeloid leukemia by whole-exome resequencing
  • ショウニ キュウセイ コツズイセイ ハッケツビョウ ニ オケル ゼン エクソン カイセキ ニ ヨル シンキ ゲンイン イデンシ ノ ドウテイ

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説明

次世代シーケンサーの登場により,成人急性骨髄性白血病(AML)では,2000年代後半に米国を中心に網羅的に遺伝子解析がなされ,DNMT3A, TET2, IDH1/2などの予後に影響を及ぼす遺伝子変異が多数同定されるなど,主要なゲノム異常が明らかにされている。一方,小児AMLではこれらの異常はまれであり,また,これまでに全ゲノム,全エクソン解析に関するまとまった報告はない。今回,小児AML 19例で全エクソン解析を行い,計80個,1例あたり平均4.2個の遺伝子変異を同定し,既知のFLT3, CEBPA, KIT, NRAS, CBL, WT1などに加え,BCORL1やコヒーシン関連遺伝子(SMC3, RAD21)の変異を新たに同定した。しかし,複数症例に共通する新規の遺伝子変異は同定されず,改めて小児AMLの複雑性が明らかとなり,成人AMLとは遺伝学的背景が異なっているものと考えられた。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 56 (12), 2419-2425, 2015

    一般社団法人 日本血液学会

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