脳静脈洞血栓症の慢性期に発覚した硬膜動静脈瘻の1例

  • 鈴木 由希子
    済生会熊本病院脳卒中センター神経内科 大阪大学大学院医学系研究科精神医学教室
  • 稲富 雄一郎
    済生会熊本病院脳卒中センター神経内科
  • 米原 敏郎
    済生会熊本病院脳卒中センター神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • A dural arteriovenous fistula detected during the chronic phase of cerebral venous sinus thrombosis

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説明

<p>症例は47歳女性.前頭部痛と右耳鳴に続いて左片麻痺が出現した.外傷歴や血栓性素因を含む基礎疾患はなかった.血管造影では上矢状静脈洞閉塞,右横静脈洞狭窄を認め,脳静脈洞血栓症と診断した.抗凝固療法開始後,血栓は消退し,頭痛,耳鳴,左片麻痺も消失した.発症7ヶ月後に左耳鳴が出現した.血管造影では脳静脈洞血栓症は再発していなかったが,左後頭動脈から左横静脈洞~S状静脈洞移行部に流入する硬膜動静脈瘻が確認された.左後頭動脈の用手的圧迫を開始し,以後耳鳴の増悪はなく,画像上も硬膜動静脈瘻の増悪や脳静脈洞血栓症の再発はなかった.脳静脈洞血栓症では慢性期に硬膜動静脈瘻が発覚することがあり,経過観察が必要である.</p>

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参考文献 (24)*注記

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