抗amphiphysin抗体が陽性であり,甲状腺濾胞腺腫を合併した亜急性小脳失調症の1例

  • 蛭薙 智紀
    名古屋第一赤十字病院神経内科 現:大垣市民病院神経内科
  • 佐藤 勝紀
    名古屋第一赤十字病院内分泌内科 現:岡崎市民病院内分泌・糖尿病内科
  • 藤野 雅彦
    名古屋第一赤十字病院病理部
  • 田中 恵子
    金沢医科大学神経内科 現:新潟大学脳研究所細胞神経生物学
  • 後藤 洋二
    名古屋第一赤十字病院神経内科
  • 真野 和夫
    名古屋第一赤十字病院神経内科

書誌事項

タイトル別名
  • Subacute cerebellar ataxia with amphiphysin antibody developing in a patient with follicular thyroid adenoma: a case report

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説明

<p>症例は61歳の女性である.20代より甲状腺腫大を指摘されていた.2015年6月末より転倒するようになり,歩行困難となったため8月中旬に入院した.入院時,四肢および体幹の失調のため座位保持が困難であり,頸部に振戦をみとめた.抗神経抗体の中で抗amphiphysin抗体(AMPH-Ab)が陽性であり,髄液蛋白,IgG Indexが上昇していた.検索した限り甲状腺以外に腫瘍をみとめず,甲状腺腫瘤の切除標本では組織型は濾胞腺腫であった.免疫療法により髄液中の蛋白,IgG Indexは低下し,治療後は小脳失調症状の進行はみられなかった.亜急性小脳失調症が疑われた場合,AMPH-Abの測定を考慮すべきである.</p>

収録刊行物

  • 臨床神経学

    臨床神経学 56 (11), 769-772, 2016

    日本神経学会

参考文献 (7)*注記

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