基礎疾患をもつヒトの咽頭分離溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) について

  • 奥山 道子
    レンサ球菌感染症研究会 レンサ球菌感染症研究会大阪市立城北市民病院臨床検査科
  • 中島 邦夫
    レンサ球菌感染症研究会 堺市衛生研究所
  • 奥田 清
    レンサ球菌感染症研究会 大阪市立大学医学部臨床検査医学

書誌事項

タイトル別名
  • An Epidemiological Survey of Group A, B, C & G Hemolytic Streptococci Isolated from the Throat of Diabetic Children
  • 基礎疾患をもつヒトの咽頭分離溶血レンサ球菌(A,B,C,G群)について--小児糖尿病患者を対象にして
  • キソ シッカン オ モツ ヒト ノ イントウ ブンリ ヨウケツレンサキュウキン
  • An Epidemiological Survey of Group A, B, C ^|^amp; G Hemolytic Streptococci Isolated from the Throat of Diabetic Children
  • Streptococcicosis Study Group
  • 小児糖尿患者を対象にして

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抄録

1982年8月および1983年8月に開催された小児糖尿病患者のキャンプに参加した小児糖尿病患者136名を対象に咽頭分離i溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) の検索を実施した.対照として大阪市内1小学校の健康学童について, ほぼ同時期に同様の検索を実施し, 比較検討した.<BR>小児糖尿病患者は, 健康学童に比し, 有意に高い検出率を得たが, 保菌率については, 有意の差を認めた年次と認めなかった年次があった.群別については健康学童では, A群が最も多く次いでB群と続き, 他は少数であったのに対し, 小児糖尿病患者ではB群が大多数を占め, 他の群は少数であった.特に1982年には, 検出された溶血レンサ球菌の93.1%をB群が占めた.B群の型別については, 健康学童ではIa型, III型の順に多く, この外にもいくつかの型を認めたのに対し, 小児糖尿病患者ではIa型を最も多く検出し, 次いでIII型を検出したほかは型別不能株をいくつか認めただけで, 他の型は全く検出されなかった.<BR>また, キャンプ開始直後 (CI期) とキャンプ終盤 (CII期) の検出率を比較すると, CI期にはCII期より有意に高い検出率を得た.このCII期の検出率は健康学童とほぼ同様であった.またCI期には, 同一人が二菌種以上の溶血レンサ球菌を保菌している例を多く認めたが, CII期にはこうした例は減少した.またCI期, CII期ともに溶血レンサ球菌を保菌していた例は31例あり, 全保菌者数の47.0%を占めた.このうち2度共, 同一群または同一の型の菌を検出した例は26例であった.これらの菌の多くはB群であって, 型別ではIaまたはIII型であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 65 (8), 970-976, 1991

    一般社団法人 日本感染症学会

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