HBワクチン無反応および低反応例の免疫学的背景因子の検討

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タイトル別名
  • Investigation on Immunological Factors of Non-and Low-responders to Hepatitis B Vaccine
  • HB ワクチン ム ハンノウ オヨビ テイ ハンノウレイ ノ メンエキガクテキ

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抄録

B型肝炎 (HB) ウイルスワクチンの1クール接種終了後にみられるワクチンに対して応答の悪い, 無および低反応例の免疫学的背景因子について検討を行った。著者らの病院の教職員に対し, 10μgのHBs抗原蛋白を含有する酵母由来の組換え沈降ワクチンを3回筋肉内に接種した。接種クールを完了し得た199名のうち, HBs抗体価がRIA法にてC.I.2.0未満の非陽転者は14名, 2.0以上で10未満の低反応者は47名で, いずれも男性が高率であった。完了者199名のうち46名につき, 2回目のワクチン接種4週後と3回目の接種4週後の抗体価により, 非反応, 低反応, 高反応, 早期高反応の4群に分け, 3回目のワクチン接種の2週前に採血を行い, 免疫学的諸因子について各群の比較を行った。血清中の総蛋白, γ グロブリン, Ig G, Ig A,Ig Mの各量, 血中の白血球数, リンパ球数, Tリンパ球クラスタ-CD8およびCD4の比較, さらに, Two-colorフローサイトメトリ-法にて解析した, サイトトキシック, サプレッサ-, インデュサ-, ヘルパ-の各Tリンパ球サブセットの比率と, CD4/CD8比を検討したが, いずれにおいてもt検定にて有意差はみられなかった。以上よりHBワクチンに対する応答は, ワクチン接種前の免疫学的諸因子の量的差異ではなく, ワクチン接種後のHBs抗原蛋白に対する特異的な反応性により規定されている可能性が示唆された。

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 67 (3), 190-195, 1993

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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