病原性大腸菌O157のVero毒素産生に対するクラリスロマイシンの抑制効果

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タイトル別名
  • Suppressive Effect of Clarithromycin on the Production of Verotoxin by <I>E. coli</I>O157
  • ビョウゲンセイ ダイチョウキン O157 ノ Vero ドクソ サンセイ ニ
  • Suppressive Effect of Clarithromycin on the Production of Verotoxin by E. coliO157

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抄録

病原性大腸菌O157, H7 (腸管出血性大腸菌) を用いて低濃度のクラリスロマイシン (CAM) のVerotoxin (VT) 産生抑制効果をin vitroで調べた.標準として用いたVT1・VT2産生株におけるVT1産生は0.64μg/ml (MICの百分の一) 以上の濃度で培養10時間後まで抑制された. しかし, 22時間後に6.4μg/ml以下の濃度では, 無添加のコントロールと同レベルに達した. 一方, VT2産生は0.64μg/ml以上で22時間でも抑制がみられ, 6.4μg/ml以上ではほぼ完全に抑制された. 同様の抑制効果はVT2単独産生株でも見られた.次に臨床分離株8株に於いて18時間培養後のVT産生に与える低濃度のクラリスロマイシン (6.4または0.64μg/ml) の影響を検討したところ, VT1の産生は7株中2株, VT2の産生については8株中8株抑制された. エリスロマイシン (EM) はクラリスロマイシンに比べてやや弱いが, ほぼ同様の傾向を示した. これに対し, アンピシリン (ABPC) はMICの100分の1及び10分の1の濃度においてVT1, VT2ともに産生抑制効果がみられないか, むしろ促進した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 71 (5), 437-442, 1997

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (8)*注記

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