カンピロバクター腸炎に対するRokitamycin (RKM, TMS-19-Q) とOfloxacinの二重盲検比較試験

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Clinical Efficacy of Rokitamycin (RKM) and Ofloxacin (OFLX) for the Treatment of <I>Campylobacter</I> Enteritis by a Double-Blind Method
  • カンピロバクター腸炎に対するRokitamycin(RKM,TMS-19-Q)とOfloxacinの2重盲検比較試験
  • カンピロバクター チョウ エン ニ タイスル Rokitamycin RKM
  • Comparison of Clinical Efficacy of Rokitamycin (RKM) and Ofloxacin (OFLX) for the Treatment of Campylobacter Enteritis by a Double-Blind Method

この論文をさがす

抄録

マクロライド系薬剤であるRokitamycin (以下, RKM) の成人カンピロバクター腸炎に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的で, 0noxacin (OFLX) を対照薬として二重盲検法による臨床比較試験を行った.<BR>試験薬の1日投与量はRKM, OFLXとも600mgで, 1日3回毎食後に5日間経口投与した.総投与症例数223例中, カンピロバクター腸炎は106例で, 除外・脱落例を引いた90例 (RKM投与群: 50例, OFLX投与群: 40例) をカンピロバクター腸炎解析対象症例とした.両群の背景因子に有意な偏りは認めなかった.<BR>検出されたCamplobacter jejuni/coli 82株 (C.jejuni 80株, C.coli 2株) における対排菌効果はRKM投与群では有効率95.2%(40/42株), OFLX投与群では70.0%(28/40株) であり, RKM投与群が有意に優れていた (p=0.006).投与開始日に症状のあった76例の対症状効果はRKM投与群では有効率97.6%(41/42例), OFLX投与群では85.3%(29/34例) であり, 両群間に有意差はなかった.総合効果はRKM投与群では有効率95.8%(46/48例), OFLX投与群では67.5%(27/40例) であり, RKM投与群が有意に優れていた (p=0.001).副作用はRKM投与群1/54例 (1.9%), OFLX投与群0/44例, 臨床検査値異常はRKM投与群4/37例 (10.8%), OFLX投与群3/31例 (9.7%) に認められたが, 発現率に有意差はなかった.有効性と安全性を勘案して評価した有用率 (「満足」以上) はRKM投与群では91.7%(44/48例), OFLX投与群では67.5%(27/40例) であり, RKM投与群が有意に優れていた (p=0.01).<BR>以上の成績から, RKMは成人カンピロバクター腸炎に対して, 臨床上, 十分に有用な薬剤であると考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 65 (9), 1165-1182, 1991

    一般社団法人 日本感染症学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ