1991年と2001年~2002年に分離されたA群溶血性レンサ球菌の血清型

  • 清水 俊夫
    徳島県保健環境センター微生物科 徳島県食肉衛生検査所
  • 立石 ひとみ
    徳島県保健環境センター微生物科 徳島県徳島保健所
  • SHERIN Ahmed
    Department of Preventive Environment & Nutrition Institute of Health Biosciences, Graduate Schools, The University of Tokushima
  • 太田 房雄
    徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体システム栄養科学部門栄養医科学講座予防環境栄養学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Serotypes, Genotypes and Drug Resistance of Group A Streptococcal Strains Isolated in 1991, 2001 and 2002 in Tokushima Prefecture
  • 1991年と2001年~2002年に分離されたA群溶血性レンサ球菌の血清型,遺伝子型および薬剤耐性の比較
  • 1991ネン ト 2001ネン 2002ネン ニ ブンリ サレタ Aグン ヨウケツセイ レンサ キュウキン ノ ケッセイガタ イデンシガタ オヨビ ヤクザイ タイセイ ノ ヒカク
  • Comparison after Decade
  • 遺伝子型および薬剤耐性の比較

この論文をさがす

抄録

2001年8月から2002年6月の間 (以下2001~2002) に分離されたA群溶血性レンサ球菌62株について, T血清型別, 発赤毒遺伝子および薬剤耐性を調査し, 1991年4月から12月の間に分離され, 当所で保存していた臨床由来株61株と比較した.<BR>T血清型別では, 1991年にはT4型が18株と最も多く, 次いでT12型とT1型が15株ずつ分離された. これらの3血清型で全体の78.7%を占めていた. 2001~2002年にはT28型が13株, T1型12株, T4型7株等が検出された.<BR>発赤毒遺伝子については, 検査したすべての菌株がspe B遺伝子を有し, 1991年, 2001~2002年ともに過半数の菌株がspe Bspe Cの二つの遺伝子を有していた.<BR>1991年分離菌株のうち, T4血清型でspe Bspe C (以下spe B, C) を有する株が15株, T12型でspe B, Cを有するものが11株, T1型でspe A, Bが9株 (14.8%) あった. 2001~2002年には, T28型でspe B, Cが11株, T1型でspe B, Cが6株, T4でspe B, CとT12でspe B, Cが5株ずつ分離された.<BR>Sma I処理・パルスフィールド電気泳動法による制限酵素切断パターンの解析により, 2001~2002年のT4型spe B, C及びT12型spe B, Cのバンドパターンは1991年に分離されたそれぞれのバンドパターンの一つと同じであることが分った.<BR>過去10年間にマクロライド耐性菌が1株 (1.6%) から11株 (17.7%) に, TC (テトラサイクリン) 耐性菌は23株 (37.7%) から32株 (51.6%) に, 多剤耐性菌は9株 (14.7%) から14株 (22.5%) にそれぞれ増加した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 78 (12), 1006-1015, 2004

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (18)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ