横浜市におけるrespiratory syncytial virus流行の疫学的解析

書誌事項

タイトル別名
  • An Epidemiological Study of Respiratory Syncytial Virus Infection in Yokohama, Japan for Five Years
  • ヨコハマシ ニ オケル respiratory syncytial virus リュウコウ ノ エキガクテキ カイセキ

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説明

横浜市内におけるrespiratory syncytial virus (RSV) 流行の疫学的特徴を明らかにすることを目的として, 1998年7月から2003年6月の5シーズンに感染症発生動向調査事業の病原体定点で急性呼吸器疾患患者から採取された咽頭ぬぐい液2,683検体のウイルス検査結果をもとに解析を行った.<BR>ウイルス分離あるいはnested RT-PCRによって181検体 (全検体の6.7%) からRSVが検出され, これはインフルエンザウイルス (441検体, 16.4%) に次ぐ検出数であった.各シーズンの検出ウイルスに占めるRSVの劇合は12~22%で, 検出のピークはインフルエンザウイルスに2カ月程度先行しており, さらに, 5~9月にかけても散発的に検出された.<BR>181株のRSVのうち172検体についてサブグループが同定され, 内訳はAが104株, Bが68株で, 全シーズンを通じてはサブグループAが優勢であったが, 検出割合は各シーズンで異なり, 2000/2001および2002/2003シーズンではサブグループBがそれぞれ61%, 70%と多数を占めていた.<BR>RSV患音の臨床的特徴をインフルエンザ患者と比較すると, 5歳未満の患者割合が79%と低年齢層の占める割合が高いこと, 症状については, 下気道炎を呈する患者の割合が全年齢層を通じて高いことであった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 79 (6), 381-387, 2005

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (20)*注記

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