抗菌薬制限下における緑膿菌の薬剤感受性の推移

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タイトル別名
  • Change in Antimicrobial Susceptibility of <I>Pseudomonas aeruginosa</I> Under Restricted Use of Carbapenems
  • 第80回日本感染症学会総会学術講演会座長推薦論文 抗菌薬制限下における緑膿菌の薬剤感受性の推移
  • ダイ 80カイ ニホン カンセンショウ ガッカイ ソウカイ ガクジュツ コウエンカイ ザチョウ スイセン ロンブン コウキンヤク セイゲンカ ニ オケル リョクノウキン ノ ヤクザイ カンジュセイ ノ スイイ
  • Change in Antimicrobial Susceptibility of Pseudomonas aeruginosa Under Restricted Use of Carbapenems

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抄録

当院では2003年から, 感染対策のためカルバペネム薬の使用期間の規制を実施している.今回, 03年から06年までの特定期間の緑膿菌臨床分離株 (03年: 85株04年: 91株05年: 100株, 06年: 100株) の年次別MIC50/MIC90から, 薬剤感受性率/耐性率と交差耐性率を算出した.カルバペネム薬のAUD (antimicrobialuse density) は規制前22.5±4.0から, 規制後6.7±1.8と有意に低下した (p<0.01).緑膿菌の耐性率 (%) は, IPM/CS (03年: 24.7/06年: 9.0), MEPM (11.8/2.0), BIPM (10.6/5.0), CAZ (15.3/2.0), CPFX (16.5/16.0), AMK (2.4/0.0) と推移した. 1) 06年のIPM/CSとMEPM, BIPM, CAZに対する感受性率と耐性率を03年と比較すると, 感受性率の上昇と耐性率の低下を認めたが, CPFXは変化がなかった. 2) IPM/CSとBIPM, MEPMのMIC50は, ほぼ同値であった. また, BIPMとMEPMのMIC90は同値であったが, IPM/CSは1管ほど高かった. 3) 抗菌薬に対する交差耐性は多彩であった. 以上より, 緑膿菌に対して薬剤感受性に関する定期的なサーベイランスを行い, 施設にあった抗菌薬治療を検討する必要があると思われる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 82 (1), 6-13, 2008

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (19)*注記

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