近畿地区における<I>Proteus mirabilis</I>のESBL産生菌分離状況と疫学解析

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タイトル別名
  • Extended-Spectrum-β-Lactamase-Producing <I>Proteus mirabilis</I>: Laboratory-Based Surveillance in Cooperation with 12 Clinical Laboratories in the Kinki Region of Japan
  • 近畿地区におけるProteus mirabilisのESBL産生菌分離状況と疫学解析
  • キンキ チク ニ オケル Proteus mirabilis ノ ESBL サンセイキン ブンリ ジョウキョウ ト エキガク カイセキ
  • Extended-Spectrum-^|^beta;-Lactamase-Producing Proteus mirabilis: Laboratory-Based Surveillance in Cooperation with 12 Clinical Laboratories in the Kinki Region of Japan

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抄録

2003年11月から2004年4月までの6カ月間に近畿耐性菌研究会 12施設から分離されたProteus mirabilis 247株を対象として調査した.cefpodoximeのMIC値が2μg/mL以上を示した株は18株 (7.3%), そのうち, double-disk synergy test陽性株は13株 (5.2%) であった. 薬剤感受性では遺伝子型の特徴を反映した結果であった. すなわちcefepime, cefozopran, cefpiromeでMIC値が高く (>8μg/mL) ceftazidimeで低値 (0.12-0.5μg/mL) であった. カルバペネム系薬剤ではmeropenemが最も低いMIC値 (≦0.03-025μg/mL) を示し, 他のカルバペネムは若干高値 (0.5-2μg/mL) であった. tazobactam/piperacillinも比較的良好はMIC値 (≦0.25-1μg/mL) を示した. PCR法によるESBL産生遺伝子型は13株中12株がCTX-M2タイプであった. また, CTX-M9が検出されたのは別施設であった1臨床背景調査においては材料別で尿が最も多く5株であった. 施設No1では7株中4株が尿からの検出であった. 入院患者で13株中12株が検出されたが, デバイス等の使用は少なかった. 薬剤投与は9症例に無く, 抗菌薬治療が施行された患者も5症例で効果も明確ではなかった. 無症候性や定着例がほとんどであると示唆された. RAPD法による疫学解析の結果, 施設No1で7株中6株が, 施設No13では5株全てで同一パターンを示し, 院内での拡散を示唆する結果であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 80 (3), 231-237, 2006

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (19)*注記

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