細菌性肺炎を対象としたLenampicillin (KBT-1585) とBacampicillinの薬効比較試験成績

書誌事項

タイトル別名
  • Comparative Study of the Effectiveness of Lenampicillin and Bacampicillin on Bacterial Pneumonia by Double Blind Method
  • サイキンセイ ハイエン オ タイショウ ト シタ Lenampicillin
公開日
1985
資源種別
journal article
DOI
  • 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.59.605
公開者
一般社団法人 日本感染症学会

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説明

Lenampicillin (KBT-1585, 以下LAPCと略す) の細菌性肺炎に対する有効性と安全性をBacampicillin (以下BAPCと略す) を対照薬剤とし, 二重盲検法により比較的検討した.<BR>肺炎の存在明確な16歳以上の患者を対象とし, LAPC (1日1g) またはBAPC (1日1g) を原則として14日間経口投与し, 臨床効果, 細菌学的効果, 症状改善度, 副作用・臨床検査値異常化の有無, 有用性を判定した.<BR>薬剤投与症例209例中, プロトコールに基づいて違反例を除外し, 有効性の解析は187例, 副作用の解析は199例, 臨床検査値異常化の解析は193例について実施した.なお, 有効性の解析はプロトコールに厳密に合致した肺炎・肺化膿症症例と, これに非細菌性肺炎, 気道感染症を加えた全症例の双方について実施した.得られた成績は下記のとおりである.<BR>1) 肺炎・肺化膿症症例では膿性痰喀出例が, 全症例では膿性痰喀出例と, 咳嗽の強い症例が, それぞれLAPC投与群に有意に多数存在した以外, 他の背景因子に関して両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>2) 小委員会判定臨床効果 (著効と有効を合わせた有効率) は細菌性肺炎・肺化膿症ではLAPC投与群86.9%, BAPC投与群86.7%, 全症例ではLAPC投与群80.2%, BAPC投与群85.4%で, 両薬剤群間に有意差を認めなかった.<BR>3) 主治医判定臨床効果 (著効と有効を合せた有効率) は細菌性肺炎・肺化膿症ではLAPC投与群90.0%, BAPC投与群84.0%, 全症例ではLAPC投与群81.6%, BAPC投与群81.7%で, 両薬剤群間に有意差を認めなかった.<BR>4) 細菌性肺炎・肺化膿症症例における症状改善率に関して, 胸痛の3日後, 7日後の改善度はBAPC投与群がLAPC投与群より高く, 改善度の差に有意の傾向が認められた.<BR>5) 細菌学的効果は細菌性肺炎・肺化膿症症例では46例, 全症例では65例について解析された.細菌性肺炎・肺化膿症症例における除菌率はLAPC投与群78.3%, BAPC投与群85.0%, 全症例における除菌率はLAPC投与群75.0%, BAPC投与群80.0%で, 両薬剤群間に有意差を認めなかった.<BR>6) 副作用発現率はLAPC投与群4.1%, BAPC投与群7.8%, 臨床検査値異常化出現率はLAPC投与群19.4%, BAPC投与群22.0%であり, いずれも両薬剤群間に有意差は認められなかった.<BR>7) 有用性に関して, 小委員会判定の有用率は細菌性肺炎・肺化膿症症例ではLAPC投与群86.9%, BAPC投与群80.0%, 全症例ではLAPC投与群80.2%, BAPC投与群79.2%で, 両薬剤群間に有意差は認められなかった. 主治医判定有用性についても両薬剤投与群間に有意差は認められなかった.<BR>以上のように, LAPC1日1gの細菌性肺炎に対する有効性はBAPC1日1gの有効性と比較して有意差なく, 安全性に関してもLAPC, BAPC間に有意差が認められなかった結果, LAPCはBAPC同様に, 呼吸器感染症の治療に有用性の高い抗菌薬と考えられる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 59 (6), 605-638, 1985

    一般社団法人 日本感染症学会

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