透析患者における結核性胸膜炎の疫学的検討

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タイトル別名
  • Epidemiological Study of Tuberculous Pleuritis in Dialysis Patients
  • トウセキ カンジャ ニ オケル ケッカクセイ キョウマクエン ノ エキガクテキ

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説明

免疫能の低下が知られる透析患者において結核性胸膜炎につき疫学的に検討した.<BR>対象は全国161施設の透析患者7,274人で, そのうち胸膜に結核病巣を有したものは18人, 30歳代から50歳代が多く, 半数の患者では病巣が胸膜に限局していた. 胸膜に病巣を有する結核は全結核の13%に相当した. また罹患率は男子で女子の2倍程高く, 致命率は女子で高い傾向であった. 結核が胸膜に限局する群は予後が良く, 胸膜外結核を合併する群は悪かった. 合併病巣は肺に最も多く, 腹膜, 腎, 脾, 肝, リンパ節, 骨, 腸などであった. 発病の時期は透析療法開始前3ヵ月から後1年半の間に集中していた. 7割弱の患者に結核の既往があり, その7割では同じ臓器が今回も侵襲されていた. 即ち再発がかなり多いと推測された. 腎不全の原病も発病に影響することが示唆された. ツ反応陽性は半数以下であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 57 (5), 383-387, 1983

    一般社団法人 日本感染症学会

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