一次医療における呼吸器感染症の研究 (I) インフルエンザ流行期に一次医療機関で観察したウイルス感染と細菌二次感染の相関

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Respiratory Infections in the Field of Primary Care (I) Correlation between Viral Infection and Secondary Bacterial Infection in Patients Visiting a Doctor in Private Practice
  • 1次医療における呼吸器感染症の研究-1-インフルエンザ流行期に1次医療機関で観察したウイルス感染と細菌2次感染の相関
  • 1ジ イリョウ ニ オケル コキュウキ カンセンショウ ノ ケンキュウ 1 イ

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説明

インフルエンザ流行期に個人開業医を受診した急性上気道炎患者95例の咽頭ぬぐい液からウイルスと細菌の同時分離を行って, 呼吸器におけるウイルス感染と細菌二次感染の関連について検討した. ウイルス分離はマイクロプレート法にて行い, 細菌は105/ml以上を有意とした.<BR>検体採取は1病日から順に10, 48, 19, 6, 6例であり, 6病日以降は6例を数えた. 56例 (59%) からインフルエンザウイルスのA香港型 (43例) およびB型 (13例) を分離した. 有意細菌は73例 (77%) で分離されたが, ウイルス型別で分離率に有意差はなく, 年齢階層別による細菌分離率の相違も認められなかった. 内訳はH. influenzae 43株, S. aureus 18株, S. pneumoniae 7様, C. freundiiとS. liquefaciensが各4株, β-溶連菌とB. catarrhahsおよびP. vulgalisが各1株であった. 複数菌分離6例は全例がH. influenzaeと他菌種との同時分離であった. H. influenzae, S. pneumoniae, B. catarrhalisのABPC耐性およびS. aureusのMCIPC耐性は認められなかった. 第1-5病日までの病日別分離率はウイルスでは50-70%であり, 細菌に関しても第1病日から70%前後の高い分離率が見られた. 菌種毎の有意の差はなかった.<BR>呼吸器における細菌二次感染はウイルス感染発症に引き続いて比較的早期から成立することが推察される.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 63 (9), 979-985, 1989

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (2)*注記

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