感染症関連血球貪食症候群の臨床的検討

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タイトル別名
  • Clinical Study of Infection Associated Hemophagocytic Syndrome
  • カンセンショウ カンレン ケッキュウドンショク ショウコウグン ノ リンショウテキ ケントウ

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抄録

成人血球貪食症候群 (HPS) はほとんどが二次性であり, 各種感染症や悪性腫瘍等種々の疾患に続発し時に重篤な転帰をとる. なかでも感染症関連HPS (IAHS) はウイルス, 細菌, 真菌感染症等を契機に発症し, 日常診療中にしばしば経験するが, HPS診断時原疾患不明の場合やIAHS疑いでも原困微生物が同定し得ない場合も多い. そこで今回我々はRPS例の発症時検査所見を用い, IAHSと悪性腫瘍関連HPS (MAHS) との比較, IAHSをウイルス性 (VAHS), 細菌性 (BAHS), 真菌性に分類し各々の検査値の比較検討を行なった. HPS21例, IAHS11例 (VAHS4例, BAHS5例, 真菌2例). MAHSIO例. これらの発症時検査所見 (WBC, Hb, Plt, LDH, フェリチン, 骨髄像) サイトカイン (IFNγ, TNFα, IL-6, sIL-2R, M-CSF) 接着分子 (sICAM-1, sVCAM-1, sELAM-1, sL-selectin) を用い, IAHSとMAHS, IAHSの原因微生物毎の比較検討を行なった. IAHSとMAHSを比較するとMAHSは発症時Hb値が有意に低下し, sIL-2Rが高値の傾向を示した. IAHS症例を原因微生物毎に比較すると, BAHSでは発症時pltが有意に低下しており, sICAM-1, sVCAM-1が高値を示した. またBAHS症例は重篤な基礎疾患を有し, DICの合併も高率で予後不良であった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (8), 630-637, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

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参考文献 (6)*注記

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