Chlamydia trachomatis感染症の診断法に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Diagnosis of Infection Caused by Chlamydia trachomatis
  • Chlamydia trachomatis カンセンショウ ノ シンダンホウ

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説明

Chlamydia trachomatis (以下C.trachomatis) 感染症の診断法の1つとして抗C. trachomatis抗体測定法の本邦での確立とその改良を試みた. さらに, 血清抗体測定法とC. trachomatisの直接塗抹染色法, 分離培養同定法との比較検討を行なった. 抗体測定法の抗原にはHeLa229細胞内で増殖培養させた410種のC.trachomatis株を純化精製し, formalin不活化して用いた. 抗原固定にはNormal york sac (NYS) を混じたC.trachomatis抗原を無処理スライドグラスへ点置するか, NYSを加えずにアンモニアー卵白アルブミン処理スライドグラスへ点置した. 前者ではNYSによる非特異蛍光がみられ, 一方, 後者ではNYSによる非特異蛍光がなく判定は容易となるが抗原固定が不良となった. 抗体測定は前者の方法で間接蛍光抗体法を施行した. その結果, 抗C.trachomatis抗体の測定とImmunotypeの決定が可能となり, 非淋菌性尿道炎および新生児肺炎症例で陽性例がみられた.血清抗体測定法と抗C.trachomatisモノクロナール抗体による直接塗抹染色法, 分離培養同定法の3法を同時に施行した非淋菌性尿道炎患者12例では抗体測定法と他2法との陽性または陰性一致率は75%であった.<BR>以上, 本邦でも抗C.trachomatis抗体測定がImmunotype決定をも含めて技術的に確立でき, さらに, 非淋菌性尿道炎, 新生児肺炎などの症例でのC. trachomatis感染の検索に極めて有用であることが示された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 59 (10), 960-969, 1985

    一般社団法人 日本感染症学会

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