基礎疾患別にみた敗血症の臨床的解析

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タイトル別名
  • Clinical Analysis of Patients with Sepsis-Comparison between Underlying Diseases-
  • キソ シッカンベツ ニ ミタ ハイケツショウ ノ リンショウテキ カイセキ

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抄録

当科入院患者でBoneらの敗血症診断基準を満たして血液培養が陽性であった症例83例 (男性57例・女性26例, 平均年齢52.0±19.0歳)・117エピソードを患者の基礎疾患別に血液悪性腫瘍群・固形悪性腫瘍群・非悪性腫瘍群の3群に分け, その臨床像を比較検討した.各群の症例内訳は血液悪性腫瘍群46例・72エピソード, 固形悪性腫瘍群23例・25エピソード, 非悪性腫瘍群14例, 20エピソードであった.血液培養分離菌はグラム陽1生菌が多く, 特に血液悪性腫瘍群でcoagulase negative staphyloccocci (CNS) の頻度が高かった.発症誘因または感染病巣は血液悪性腫瘍群では痔疾・口内炎・血管内留置カテーテル, 固形悪性腫瘍群では肺炎, 非悪性腫瘍群では尿路感染症が多かった.死亡率は固形悪性腫瘍群が最も高かった.ショックまたは播種性血管内凝固症候群 (DIC) 合併症例は各群とも予後不良で, 死亡症例は生存症例に比べ血清アルブミン値が有意に低値であった.したがって血液培養陽性症例の臨床病態は基礎疾患により異なることを明らかにした.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 72 (7), 681-687, 1998

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (11)*注記

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