高齢者呼吸器感染症に対するPanipenem/Betamipron (PAPM/BP) の有効性, 安全性に関する多施設共同研究成績

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タイトル別名
  • Evaluation of a Multi-Hospital Cooperative Study on the Efficacy and Safety of Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) on Elderly Patients of Respiratory Infections
  • コウレイシャ コキュウキ カンセンショウ ニ タイスル Panipenem Betamipron PAPM BP ノ ユウコウセイ アンゼンセイ ニ カンスル タシセツ キョウドウ ケンキュウ セイセキ

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抄録

Panipenem/Betamipron (PAPM/BP) の高齢者呼吸器感染症に対する有効性, 安全性を17施設の共同研究として検討した.<BR>症例数は95例で, うち86例について有効性を, 95例について安全性を検討した. 有効率は, 肺炎で813%, 慢性呼吸器疾患の二次感染で57.7%, 全体で74.4%であった. 年齢別では, 65歳以上5歳毎の各群間で比較した場合も, あるいは, 75歳未満の群と75歳以上の群に大別して比較した場合も, いずれも各群間の有効率に有意差はみられなかった. 細菌学的効果は, 肺炎球菌で100%, 黄色ブドウ球菌で80%, 肺炎桿菌で80%など, 緑膿菌を除けば, 呼吸器感染症の主要起炎菌に対して良好な消失率が得られた.<BR>本調査では, 以上に加えて高齢者感染症の治療経過に影響を及ぼすと考えられる因子, 即ち, 基礎疾患・合併症の有無, 感染症の徴候の明確さ, 感染症発症前の状態, また抗菌薬の前治療歴についても検討を加えた.<BR>安全性については, 副作用の発現率は14.7%で, 開発治験時の16.9%とほぼ同様の水準であり, その内容も両者間で類似した傾向を示した. 年齢別では, 65歳以上5歳毎の各群間, あるいは75歳未満の群と75歳以上の群で比較を行い, ともに各群間に有意差はみられなかった.<BR>以上の成績から, 高齢者呼吸器感染症に対しても, PAPM/BPは, 通常成人と同様に有用な薬剤と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (1), 43-52, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (11)*注記

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