β溶血性連鎖球菌に関する研究

書誌事項

タイトル別名
  • Studies on Clinical Isolates of <I>Beta-hemolytic Streptococci</I>
  • β溶血性連鎖球菌に関する研究--臨床分離菌の群別と疾患との関連
  • ベータ ヨウケツセイ レンサ キュウキン ニカンスルケンキュウ リンショウ ブ
  • Studies on Clinical Isolates of Beta-hemolytic Streptococci
  • Serological Grouping and Pathogenicity
  • 臨床分離菌の群別と疾患との関連

この論文をさがす

説明

九大病院検査部において, 昭和54年から昭和56年にかけて分離されたβ溶血性連鎖球菌100株について, 抗血清による群別と生物学的性状による菌種の同定とを行ったところ, A群30株, B群47株, C群0株, G群11株, その他の群12株であり, B群が最も多かった. A群が多数検出された場合は上気道の化膿性炎症の原因菌であると云え, 続発症をひき起こしていた. B群の場合は膣炎や尿路感染症, ときに心内膜炎などの原因菌となっていたが, 常在菌と考えられるものが多かった. G群は上気道炎症の原因菌となるが, 他の菌種との混合感染が多かった. その他の群は歯肉膿瘍などの口腔内の試料から検出されることが多かった. これらの群別にはAPISTREP 20システムによる同定が最も有用であり, 抗血清によるものはときとして判定困難な株があった. A群の確認にはバシトラシン感受性検査がなお有用であるが, G群やその他の群のものが混入する可能性があった. B群の確認にはコロンビア培地での色素産生能が有用であった. また, A群溶連菌の血清型別ではT-12, T-6が半数を占めていた.<BR>薬剤感受性成績では, PC系やCEP系薬剤には未だ全く耐性菌は認められなかった. しかし, アミノ配糖体系薬剤にはB群は100%, その他の群も約70%が耐性で, TCにはA群とB群の約50%が耐性で, A群はさらにマクロライド系薬剤に40%が耐性で, CPをも含めた多剤耐性菌が多かった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 57 (3), 231-239, 1983

    一般社団法人 日本感染症学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ