長期入院がん患児における <I>Clostridium difficile</I> 消化管保有と院内伝播に関する検討

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タイトル別名
  • Intestinal Colonization and Nosocomial Spread of <I>Clostridium difficile</I> in Pediatric Cancer Patients Under Long-term Hospitalization
  • 長期入院がん患児におけるClostridium difficile消化管保有と院内伝播に関する検討
  • チョウキ ニュウイン ガン カンジ ニ オケル Clostridium difficile ショウカカン ホユウ ト インナイ デンパ ニ カンスル ケントウ
  • Intestinal Colonization and Nosocomial Spread of Clostridium difficile in Pediatric Cancer Patients Under Long-term Hospitalization

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抄録

Clostridium difficileは, 抗菌薬関連下痢症の主要な原因菌で, 院内感染の原因菌としても重要である.長期入院中のがん患児におけるC.difficileの消化管保有及び院内伝播の実態を検討した. 対象は, 2005年11月から2007年3月までに血液腫瘍疾患で抗腫瘍薬治療目的で入院した5~15歳の患児10症例である. 調査開始時, 各クールの治療後, 下痢や発熱等の症状出現時に糞便検体の細菌学的解析を行った. 検討したがん患児10症例中8症例の糞便検体からC.difficileが分離され, そのうち6症例は, 入院時にはC. difficileは分離されなかったが, 入院経過中に培養陽性となった.このことから, 抗菌薬や抗腫瘍薬使用中のがん患児において非常に高い割合でC.diffcileが消化管内で増殖していることがわかった. 8症例中5症例からtoxin A陽性toxin B陽性のC.difficileが分離された.そのうち2症例はC.difficile関連下痢症/腸炎 (C.difficile-associated diarrhea: CDAD) を発症し, バンコマイシンによる治療が必要であった. がん患児において, CDADは稀な感染症ではないことが明らかとなった. 8症例から分離された9菌株においてPCR ribotypingによる解析を行った結果, 2症例から分離された2菌株は同一タイプであったが, 残りの6症例から分離された7菌株はそれぞれ異なるPCR ribotypeを示した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 82 (5), 419-426, 2008

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (20)*注記

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