腸炎ビブリオ抗原の血清学的研究

書誌事項

タイトル別名
  • Serological Studies on <I>Vibrio parahaemolyticus</I>
  • 腸炎ビブリオ抗原の血清学的研究-3-抗O群血清に含まれる非対応O群抗原に対する凝集素
  • チョウエンビブリオ コウゲン ノ ケッセイガクテキ ケンキュウ 3 コウ Oグ
  • Serological Studies on Vibrio parahaemolyticus
  • III. Agglutinins in O-antiserum against Heterologous O-antigens
  • III.抗O群血清に含まれる非対応O群抗原に対する凝集素

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抄録

腸炎ビブリオの抗O群血清の特性として, 非対応O群抗原に対してもかなり高い凝集素価を示すことが知られている. そこで, この非対応0群抗原に対する凝集素を解明する目的で, これらの凝集素と01~012群パイロット株の加熱死菌およびV.cholerae, V.alginolyticus, E.coliの加熱死菌との関係について検討を行い, 次のような成績を得た.<BR>1. 腸炎ビブリオは既知の01~012抗原のほかに, 総ての腸炎ビリオに共通の0抗原も有することが確認されたこの事実から, 加熱処理菌体には, 従来型別の目的で用いられてきた01~012抗原のほかに, 総ての腸炎ビブリオに共通に存在する型特異性を欠く0抗原も存在することが明らかとなつた.<BR>2. V.ckoleraeおよびV.aalginolyticusにも型特異性を欠く総ての腸炎ビブリオに共通のこの0抗原の存在が認められたが, 腸内細菌科のE.coliにはこの抗原が認められなかつたことから, 本抗原はビブリオ属に共通のO抗原であることが示唆された.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 55 (6), 429-438, 1981

    一般社団法人 日本感染症学会

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