全菌体を抗原としたELISA法による溶連菌抗体測定法の基礎的研究

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タイトル別名
  • Experimental Study of Quantification of Serum Antibodies Against Streptococcal Surface Antigens by ELISA on Microtiter Plate
  • ゼン キンタイ オ コウゲン ト シタ ELISAホウ ニ ヨル ヨウレンキン

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抄録

全菌体を抗原として用いたELISA法により, 連鎖球菌抗体の測定を試み, 基礎的実験を行った結果より次の結論を得た.<BR>1) A, B, C, G群溶連菌標準菌株を用い, 各抗群血清との反応を行った結果, 410nmで示される吸光度は, 群特異的な反応を反映していた.<BR>2) A群M1, M4, M6, M12型の標準菌株を用いた反応では, C多糖体, T蛋白質等に対する抗体と共に, M蛋白質に対する反応も示していた.<BR>3) A群C多糖体及び抗原の菌型と対応する菌株のトリプシン処理菌体で吸収をした後に, 人血清中にM特異抗体が残存した.<BR>4) 心臓病患者の血清中には, この20年間の主要流行菌型といわれる菌型に対するIgG抗体が, 比較的高い値で検出された.<BR>従来まで引用されているM抗体の測定方法に比較して, 本方法は簡便であり, A群溶連菌のM抗体を反映させうる方法と考えられた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 62 (6), 543-550, 1988

    一般社団法人 日本感染症学会

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