呼吸器感染症の発症に関与したウイルス

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タイトル別名
  • Viral Infection Related to The Appearance of Acute Bacterial Respiratory Tract Infections
  • コキュウキ カンセンショウ ノ ハッショウ ニ カンヨ シタ ウイルス

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抄録

呼吸器感染症で細菌感染が強く示唆される症例にウイルスの混合感染がどの程度関与しているか検討した. 1998年7月から2000年3月迄の期間内に当科で経験した呼吸器感染症 (膿性痰を必ず伴う) 113例を対象とした. その結果, 113例中22例 (22%) でウイルスの急性感染が証明され, influenza A virus10例と最も多く, 次いでrespiratory syncytial (RS) virus6例の順に多く検出されていた. ウイルス流行の季節的には, influenza A virus, RS virusいずれも冬の12~2月にみられた. また, 同時に施行した各種検体による細菌学的検査では, Streptococcus pneomoniae12株, Haemophilus influenzae10株の順に多く検出されており, ウイルスや一般細菌による混合感染が113例中16例 (14%) に認められた. 今回の調査から, 各種ウイルスと一般細菌による混合感染から発症する呼吸器感染症の比率は高く, ウイルス感染の季節的変動に一致して, 呼吸器感染症の発症頻度も増加する傾向が認められた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 74 (11), 949-953, 2000

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (12)*注記

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