気管支喘息, 結核および肥満等の基礎疾患を有する小・中学生の咽頭分離溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) の動態 (1977~1979年)

書誌事項

タイトル別名
  • An Epidemiological Survey of Group A-, B-, C- and G- hemolytic Streptococci Isolated from the Throat of Asthmatic, Tuberculous and Obese Children
  • 気管支喘息,結核および肥満等の基礎疾患を有する小・中学生の咽頭分離溶血レンサ球菌(A,B,C,G群)の動態(1977~1979年)-1-群別および型別の推移
  • キカンシ ゼンソク ケッカク オヨビ ヒマン トウ ノ キソ シッカン オ ユ
  • Part I. Rate of Detection and Analysis by Group and Type
  • 第1編群別および型別の推移

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抄録

溶血レンサ球菌 (A, B, C, G群) が気管支喘息や結核の基礎疾患または肥満等の基礎身体状況にある小・中学生の咽頭にいかなる分布を示すかを知る目的で1977~1979年の3年間, 毎月1回, 咽頭粘液の培養を行った. なお, 対照として大阪市内の2ヵ所の健康学童を延べ3回検索を実施した. 菌検索は咽頭粘液を直接, 平板培地に塗抹した. 使用培地は5%緬羊脱線維血液寒天平板培地のほかに選択培地としてグラム陰性菌を抑制するためcoiistinとnalidixic acidを加えたCNA培地とさらにブドウ球菌を抑制しレンサ球菌の発育を促進させるためにcrystal violetとyeast extractおよびNaClを加えたCNA-CYN培地ともいうべき我々の開発したNO培地の三者を併用した. その結果, 検出率の最も低いのは結核であり, 気管支喘息と肥満等は健康学童とほぼ同様であった。群別では, A群菌の分離率は健康学童に比し低率であったが, ただ肥満等にやや多く分離した. A群の型別は1977年にはT-22型が, 1978~1979年にはT-28型を最も多く分離した. この両型は, 当時大阪市内でも多数に検出された型であった. 当所ではT-12型は少数であったが, 健康学童からは多数に分離した. B群菌は従来の報告に比し, 気管支喘息, 結核, 肥満等は勿論, 健康学童からも高率に検出した. 型別ではIaとIII型が最多分離株であった. C群菌は1977年には結核と肥満等から多く分離したが, その後は漸減した。G群菌は3年間を通じ常に割合に多く検出した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 56 (1), 56-67, 1982

    一般社団法人 日本感染症学会

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