高齢者施設入所者のインフルエンザワクチン接種に関する調査

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タイトル別名
  • Studies of Influenza Vaccination Among Elderly Nursing Home Residents
  • コウレイシャ シセツ ニュウショシャ ノ インフルエンザ ワクチン セッシュ ニ カンスル チョウサ

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抄録

特別養護老人ホーム (以下特養) における高齢者施設入所者のインフルエンザワクチン接種の実態と考え方について調査した.<BR>2002年12月, 名古屋市厚生院特養の入所者は272人中195人 (71.7%) は障害老人の日常生活自立度判定基準の寝たきり, 132人 (48.5%) は日常生活に支障をきたすような意思疎通の困難な認知症であった.このような入所者において2002/2003年シーズンのインフルエンザワクチン接種者は163人, 59.9%であった.接種者163人と非接種者109人を比較すると, 非接種者に寝たきりあるいは認知症の多いことが判明した.<BR>特養入所者272人中139人 (51.1%) よりインフルエンザワクチン接種に関するアンケートの回答を得た.接種を受けた理由としては予防70.2%が圧倒的に多く, 毎年受けている17.0%, 医師の勧め53%, 家族の勧め32%の順であった.予防接種を受けなかった理由としては, 理解不能22.2%, 副反応やアレルギー, 注射が痛いが各17.8%であった.インフルエンザに対する個人的予防や施設内流行防止の立場から接種率を高めるために入所者に対しては現行制度を最大限に運用し, 施設の積極的なワクチン接種の取り組み, 入所者へのワクチン接種の安全性の啓蒙と意思表示能力の低下した入所者への対策が必要と思われた.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 81 (4), 408-413, 2007

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (13)*注記

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