原発性肺クリプトコッカス症の臨床的検討

書誌事項

タイトル別名
  • Primary Pulmonary Cryptococcosis: A Case Series of 9 Patients
  • ゲンパツセイ ハイクリプトコッカスショウ ノ リンショウテキ ケントウ

この論文をさがす

抄録

1991年-2001年に当院で診断・治療した原発性肺クリプトコッカス症9例について画像所見・検査所見および治療経過を検討した. 症例は男性5例女性4例, 平均43.0歳, 7例は診断時無症状であった. 胸部CTの所見は9例中8例が結節影を, 3例が浸潤影を呈した (重複を含む). また空洞形成を4例に, air bronchogramを2例に, spiculaを3例に認めた. 9例中8例はTBLBもしくはCTガイド下針生検で得た組織診断で, 残る1例は気管支鏡下キュレットの培養で確定診断した.初診時血中クリプトコッカス抗原は9例中6例が陽性であった. PHAを用いたリンパ球幼若化試験 (LST) では6例中3例に, ConAを用いたLSTで6例中3例に刺激に対する反応の低下を認め, 潜在的なT細胞性免疫の低下が示唆された.治療は全例に行われ, うち7例はフルコナゾール単独治療が選択されていた. 平均観察期間は47. 1ヵ月であった. 全例で症状の消失と胸部X線での陰影改善を認め (7例で陰影が消失), 再発を認めていない. 血清クリプトコッカス抗原価の陰性化は6例中1例に認めたのみで, 治療終了の指標としての有用性は認められなかった.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 81 (4), 403-407, 2007

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (5)*注記

もっと見る

参考文献 (19)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ