Silkworm Larvae Plasmaを用いた新しい細菌感染症診断法の臨床的評価

書誌事項

タイトル別名
  • A Clinical Evaluation of the New Laboratory Method That Diagnoses Bacterial Infection, Using Silkworm Larvae Plasma
  • Silkworm Larvae Plasma オ モチイタ アタラシイ サイキン カンセンショウ シンダンホウ ノ リンショウテキ ヒョウカ

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抄録

グラム陽性菌及びグラム陰性菌の共通の構成成分であるペプチドグリカンがカイコ体液 (SLP; silkwormlava eplasma) と特異的に反応するという現象に基づいて, その反応生成物を血漿SLP値として定量的に測定するSLPテストが開発された. SLPテストはグラム陽性菌グラム陰性菌両方の感染症を診断できると考えられ, 私どもは, その臨床的有用性について検討した. 対象は血液培養陽性の全身性感染症患者14例, 病巣より細菌感染を証明できた局所感染症患者22例, 細菌感染症ではないと考えられる患者7例, と健常人コントロール19名であった. 検討の結果血漿SLP値のカットオフ値は0.6ng/mlと考えられた. このSLPテストの感度, 特異度はそれぞれ57.1%, 100%だった. グラム陽性菌感染症患者群とグラム陰性菌感染症患者群の問でSLP値には統計学的有意差はなくSLPテストが特にグラム陽性菌グラム陰性菌どちらかに特異的であるとは考えられなかった. このSLPテストは細菌感染症診断の新しい臨床検査法となりうると考えられる.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 73 (12), 1222-1226, 1999

    一般社団法人 日本感染症学会

参考文献 (7)*注記

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