二分脊椎症例に対する回腸利用膀胱拡大術の術後SIRS (systemic inflammatory response syndrome) スコアの検討

書誌事項

タイトル別名
  • ASSESSMENT OF SURGICAL INVASIVENESS OF AUGMENTATION ILEOCYSTOPLASTY APPLYING THE SYSTEMIC INFLAMMATORY RESPONSE SYNDROME SCORE IN PATIENTS WITH SPINA BIFIDA

この論文をさがす

抄録

(目的) 二分脊椎症例に対する回腸利用膀胱拡大術の手術侵襲について Systemic Inflammatory Response Syndrome (SIRS) を用いて検討した.<br>(対象と方法) 二分脊椎症例に対して行った回腸利用膀胱拡大術23例, その他の泌尿器科手術症例として前立腺全摘除術25例, 根治的腎摘除術20例を対象とした. SIRSは生体の非特異的炎症反応を表すとされており, 4つの診断基準のうち2つ以上の項目を満たした場合にSIRSであると診断される. われわれはこれを応用し, SIRS持続期間における陽性項目数の総和をSIRS score とし手術侵襲の強度を示すパラメーターとした. SIRS score と各因子との関連性を検討し, さらに回腸利用膀胱拡大術のSIRS score をその他の泌尿器科手術と比較した.<br>(結果) 回腸利用膀胱拡大術のSIRS score と手術時間の間には, 手術時間が長くなるほどSIRS score が大きくなるという関連性がみられた. 脳室腹腔シャントを脳室心房シャントに変更する術式を併用した症例でSIRS score が有意に大きくなった. 手術時間はシャント手術併用の有無により有意差はみられなかった. また, 回腸利用膀胱拡大術のSIRS score はその他の泌尿器科手術に比べて有意に高かった.<br>(結論) SIRS score を指標として検討した結果, 回腸利用膀胱拡大術の手術侵襲には手術時間と脳室シャント手術の併用という2つの因子が関係していた. また, 回腸利用膀胱拡大術の手術侵襲はその他の泌尿器科手術に比べて大きく, 手術適応の決定に際してはこれらのことが考慮される必要がある.

収録刊行物

参考文献 (9)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ