精巣腫瘍に対するBEP療法施行中の末梢血CD34陽性細胞の推移と末梢血幹細胞採取時期の検討

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タイトル別名
  • KINETICS OF PERIPHERAL BLOOD CD34-POSITIVE CELLS AND THE OPTIMUM TIMING FOR HARVESTING PERIPHERAL BLOOD STEM CELLS DURING BEP CHEMOTHERAPY IN PATIENTS WITH TESTICULAR GERM CELL TUMOR

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(目的) 最近, 末梢血幹細胞移植による大量化学療法が精巣胚細胞腫瘍に対して行なわれてきている. 本研究では, 精巣腫瘍の代表的な導入化学療法である bleomycin+etoposide+cisplatin (BEP) 療法を用いて, 末梢血幹細胞の至適採取時期について検討した.<br>(対象と方法) 1996年から1998年の転移を有する精巣腫瘍患者6例10コースにおいて, BEP療法施行中の末梢血CD34陽性細胞比率の推移を測定し, 3例4回の末梢血幹細胞採取を行った. 組み換えヒト顆粒球コロニー刺激因子 (rhG-CSF) は好中球数1,000/μ1以下にて投与を開始した.<br>(結果) rhG-CSFを併用したBEP療法において, 化学療法開始から 18~21日目 (中央値19日) に末梢血CD34陽性細胞比率が最高3.0~24.6% (平均10.0%) となった. 末梢血CD34陽性細胞比率が最高値を示した時の白血球数は6,880/μl~23,600/μlで, 9コース中7コースでは18日目以後に初めて白血球数6,000/μlを越えた時であった. 1回の末梢血幹細胞採取にて平均9.5×106/kgのCD34陽性細胞が得られ, 1例あたりの平均は12.6×106/kgであった.<br>(結論) rhG-CSFを併用したBEP療法を初回治療に用いた場合には, 十分な末梢血幹細胞動員が可能であった. 我で々の結果からは, BEP療法では18日目以後に白血球数が6,000/μlを越えた日とその翌口の2回PBSC採取を施行する方法が最も勧められる.

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