ESWL治療予後に及ぼす年齢の影響

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  • SIGNIFICANCE OF AGE ON PROGNOSIS IN PATIENTS TREATED BY EXTRACORPOREAL SHOCK WAVE LITHOTRIPSY
  • ESWL チリョウ ヨゴ ニ オヨボス ネンレイ ノ エイキョウ

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抄録

(目的) ESWLによる尿路結石治療において, 患者の年齢が完全排石率に与える影響を解析する.<br>(対象と方法) Siemens Lithostar Multiline で治療を行った腎結石138例と尿管結石463例を対象とした. 患者の年齢とその他 (部位, 長径, 左右, 性, 水腎症の程度, 診断時の疼痛の有無, 結石の既往) が, 3ヵ月後の完全排石に対する予後因子となりうるかを多重ロジスティック回帰分析にて検討した.<br>(結果) 全体の完全排石率は77.2%であった. 39歳以下, 40~49歳, 50~59歳, 60~69歳, 70歳以上の完全排石率はそれぞれ87.4%, 84.4%, 75.0%, 71.1%, 66.3%であった. しかし高齢者では診断時の疼痛に乏しい例が多く, 水腎症が多かった. そこで, 多重ロジスティック解析を行うと, 部位 (中部・下部尿管), 長径 (小さい), 水腎症 (軽度以下), 発症時の症状 (疼痛あり) に加え, 年齢 (若い) も,上部尿路結石のESWL治療における独立した (より良い) 予後因子と判明した. また高齢ほど治療時に鎮痛剤を要しなかった.<br>(結論) 加齢とともに, ESWLによる完全排石率は低下した. しかし高齢者では治療時の鎮痛剤の必要頻度が低いため, ESWLは高齢者の尿路結石治療として簡便で一定の有用性があるものと考えられた.

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参考文献 (21)*注記

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